4月某日、ツイッターでお知り合いになったスタタボさんのお宅へ、オーディオオフにお邪魔しました。
きっかけはスタタボさんも自分も、オンキヨーのスピーカーを愛用中という共通項です。
さてさて。
これは大画面が必要だーッ!…と叫びたくなるくらい、写真では伝わらない迫力があります!
スタタボさん愛用のセプターは SCEPTER 10という38センチウーハーに音響レンズ付きツイーターを合わせたものなのですが、生の目で見る立体感、押し出し感は、画面ではなかなか伝わるものではありません。しかも、部屋に収まっていると、店頭などで見る雰囲気ともまるで違うのです。
そして、音…。
うわー!
期待していた通りのスピード感ある重低音と、飛び出してくるような楽器の音色!
重低音30Hzを醸し出すマリンバのCDを、全く難なく気持ち良く♪鳴らしてきます。
ライブ感に満ちた、自然に響く音。これぞ大口径といった感じです。
続いて、珍しいハープギターの名盤を拝聴♪
2ウェイの好いところが見事に出てきます。ツイーターも、ホーンにありがちな尖った感じが目立たず、音が飛びだしてきます。響きの統一感と、胴の鳴りの厚みがたまりません。
追加されたJBLのスーパーツィーターとも相性が良く、ギターの弦の音を、低音成分も遅れずについてくるのが良い感じです。
弦楽器が機嫌良くなるスピーカーは,大口径よりは、どちらかというと20センチクラスやフルレンジが好感度高いという印象を持っているのですが、このSCEPTER 10は、そんな自分基準を覆してくれました。
すると、スタタボさん…。
「ウーハー、ほんとに軽いんですよ!」
とコーンに指を添えて、そっと動かして見せてくれました。
ウレタンエッジということを考えても軽い動きです。でも制動はきちんとしていて遅れなく戻ってきます。
そこで、ふと思いました。ウレタン…ですよね?
「オリジナルです(にこり)」
…ウレタンエッジ、45年以上前に購入したときの、オリジナルの状態なのだそうです!
長年の使用で、エッジ表面の着色は若干飛んだようですが、まだまだいけそうです。
思えば、うちのセプターもオリジナルのエッジが残ってます。わたしのE-83A mk3はラバーエッジですが、ONKYOというメーカーは、長寿命も考慮して素材を設計しているのかも知れません。
「カセット、聴きましょう」
そうです。気になってたのですが、ラックにはナカミチが収まってます。
おもむろにセットされたのは、スーパーメタルマスター…。
これって、録音して使うモノなの?なんて、最近の価格高騰を知っていると思ってしまいますが、さらに…
「2003年のエアチェックテープです。アコギのライブです」
エ、エアチェックですか…? スーパーメタルマスターで?と仰天しましたが、以前は今ほど価格は高騰していませんでしたから…。ただ、そこじゃないんですよね。つまり、値段じゃないんですね、カセットテープって…。
カセットテープに録る行為っていろいろあると思うのですが、エアチェックを例にとると、今ほど編集が楽な時代ではないので、レベルも残量もチューニングもノイズも、常に気にしながらの楽しい時間です。しかも、多くの番組の中から、これと狙って録るのですから、その期待度に応じて、できる努力、あるいは物量を投入したいと思ってしまうのも仕方ありません。つまり、その行為は値段じゃないんです。気持ちだったり情熱だったり…なんです。そして、スタタボさんのエアチェックテープは、まさにこれにぴったりと合致してました。
番組の内容は、アコースティックギターのスタジオ生ライブです。その音は、一瞬、元のソースがなんなのかわからなくなるようなSNとDレンジ…。リスナーの期待と、それを知って気持ちを込める弾き手の響き合いが聞こえてきます。スタタボさんはギターの趣味もお持ちで、良いテープを奢りたくなるのもわかります。
そして、大切なカセットテープをいい調子で聴くために、デッキはメンテナンスを繰り返して維持してきたのだそうです。その気持ちが周囲に伝搬しているのか、その放送を受け取ったチューナーは、ノーメンテながら未だ健在です。
なるほど…。
スタタボさんは、ネットオークションなどで機材を仕入れる一方、セプターやチューナー、ナカミチのように、気に入ったものを長く使っていく気持ちを忘れない達人のようです。思えば、そのハンドルネームの由来にある愛車のスターレットも、何台も乗り継ぎながら、そのフィーリングを楽しんでいるのだといいます。今はすっかり旧車になって、部品の調達には苦労があるそうですが、車は愛情にしっかり応えてくれているそうです。そんな風に、筋の通った機材は、聴くも乗るも、実に楽しいものです。
そんな愛情が流れるシステムの、「さわり」の部分を知った後は、揚水、拓郎(男性ボーカルがしっかり聴けます!)、その他いろいろ…、わたしの45LPやスタタボさんの見本盤コレクションなどを、ライブ感満載のセプターで聴きまくるリスニングタイムとなりました。
ONKYO SCEPTER 10…
爆!ゴキゲンです:)
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スタタボさん、こぼれ話。
セプターを鳴らすアンプはハーマン。
オークションで、ちょっと調子の悪い物を手に入れたそうですが、暇無くつまみやスイッチを動かして上げているうちに復調。当日は絶好調でした。
フォノが二系統挿せて、容量も設定できるという、がっつりとアナログに振ったアンプです。
当日、メインで掛けていただいたレコードプレーヤーはケンウッドKP-7010。近年、デッドストック品を手に入れたとのことで、…これはきっとセプターの咆吼に呼び寄せられたものではないかと、わたしは推測しています。(笑)
針は、いろいろお持ちの中で、いちばんシステムに合っているというAT-33ML/OCC。ダイナベクターなどと聴き比べもさせていただきましたが、確かにこれがいちばんぴったり来ていました。何本もお持ちになるほど、愛を注がれてます。
愛が注がれていると言えば、カセットテープも…。「本棚で金庫の鍵を隠すためBOX」の中には、金は金でもテープの金が詰まってました。
ソニーのメタルだけでも、こんな感じです。他、TDKの金字塔も未開封で3世代が詰めてあったり…。
なんだかもう、あの時代、かなり奮発して買った思い出など、よみがえってきたり…。(涙)
スピーカーの聴き比べも。オントモムックのスピーカーも、かなり良い鳴りです。
仕組みとしては新しい世代のスピーカーと思うのですが、CP的にもかなり良いです。ここには写ってないですが、スタタボさん、なにげにフォステクスの限定フルレンジをお持ちであったりして守備範囲が広いです。
そんなスタタボさんの最新情報はこちら↓
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スタタボさんツイッター スタタボさん、楽しいオフをありがとうございました!